今まで、自己流で無我夢中で泳いできて、その水の深さに初めて気づいたときの衝撃。泳ぐこと自体が楽しくて楽しくて仕方がなくて、まっすぐに、前だけを見て進み続けて。 その先に何が待っているなんて、考えもしなくて。でも気づいてしまった。背の立たない、その水の深さ、果ての見えない広さに。 とたんに、泳ぎ方がわからなくなった。怖くなった。背が立たないことを知る前は、なんでもなかったのに。だから私はもがき始めた。見えない答えを求めて。とたんに、自分が進んでいた方向もわからなくなって…… 長いこともがき続けて、やっと、再び泳ぎ始めた。前に比べると、ぎこちなく、ゆっくりした速さだけど、力強い泳ぎ方で。自分が何を知らないのか、知ることが出来たとき…… 目指す場所はまだわからないけど、泳ぎ続けることが大切なんだと、心から思えるようになったから。 |
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