「終わることのない罰」

「シーシュポス」

ギリシア神話に登場する。
 冥界へ連れ戻され、永遠に終わることのない罰を与えられた。

 その罰は自分と同じくらいの大きな大理石の岩を山の頂上まで運ぶと言う罰だった。
 しかし山頂には岩を固定する場所もなく、岩は山頂に着くや否や反対側に転げ落ちる……。

 当然シーシュポスは自分も反対側に降りて行き、再び岩をころがし山頂を目指す。
 言うまでもなく、シーシュポスはこんな作業を永遠に繰り返すのだった。


カミュ著「シーシュポスの神話」と言う本がある。 哲学的エッセイかな?

昔読んだのだが、心に残っている。
シーシュポスは不幸なのだろうか? 幸せなのだろうか?

流れる汗を拭おうともしないで山頂まで岩を運ぶ。
もう少しだ。 そう思ってやっとの思いで山頂に着く。

しかし、ほっとする間もない。 岩は反対側に落ちて行くから……。

シーシュポスはその落ちて行く岩を見つめ、苦笑いを浮かべる。
分かっている事だ。
もう何度も繰り返した……。

シーシュポスは岩を追って反対側へ降りて行く。
さぁ、限りなく無駄な作業を繰り返そう!
これが神から与えられし罰なのだから……。

シーシュポスは再び岩を、山頂を目指し運ぶのだった……。

迷いは無い。 ただ繰り返すのみ!

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