「もう一度逢いたい」

 もっと優しくしてあげれば……、もっと愛してあげれば……。
 今になって思う。 逢えなくなって初めて気付く、バカな僕だけど……。

「言わなきゃ分からないじゃないの」と、あなたは言ったね。

 僕は照れと恥ずかしさで言えなかった。 ごめん、今なら言えるんだ。

「逢いたい……」
「愛してる……」
「これまでごめん!」

 もし逢えたら僕は言える。 いや、どんなに恥ずかしくても言う。  でも、もう逢えないから、そう思えるのかもしれないね。  もうどんなに逢いたくても、あなたには逢えないのだから……。

 病室であなたは僕の手を握りながら微笑ながら逝ってしまった……。

「元・気・出・す・ん・だ・よ・!」と、精一杯の声で僕を励ましながら……。

 もう声も出せないほど、苦しいのに……。 そんな時でも僕のことを思ってくれたあなた……。
 天国で幸せになっているのでしょうね。

 僕はあなたに天国で逢えるまで、あなたの分まで元気に頑張って生きて行くからね。
 見ていてね……。

 これは決して死んだから幸せになると言う話ではありません。  誤解をなさった方がいらっしゃったので、念のため申し上げます。
 誤解をなさっている方から『死んで幸せになるなら生きている意味が無い』と言われましたが、決してそう言う意味ではありません。  恋人に死なれて、その恋人が天国で幸せになっていると思いたい気持ちなのです。
 そして、その恋人のためにも生きようとしている気持ちなのです。  分かっていただけると思ったのですが、僕が下手なせいでしょうか?

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